私たちのビジョン

「教育」を通じて、人々が文化を継承し、自らの未来を自分の手で切り開ける社会を実現する。

私たち一般社団法人文華樹は、このビジョンのもと、従来よりも広い意味で捉えた「教育」を通じて、人々が文化を継承するとともに自らの未来を自分の手で切り開くことのできる社会の実現を目指します。

塾・予備校という「受験が当たり前」の世界に長い間いると、忘れてしまいそうになるものがあります。それは、「受験は選択肢の一つにすぎない」という単純な事実です。私たちの活動を通して、「我々の生きるこの世界にはさまざまな選択肢がある」ということをほんの少しだけでも感じ、それを通して「多様な選択肢の中で、自らの進むべき道を選択する」ということを念頭に、その決断を自分で下した意味を自分で掴んでもらいたいと考えています。

 私たち一般社団法人文華樹はこれからも、より広い意味での「教育」を通して自律性を養い、自らの人生を自らの手で切り開いていくことのできる人材を育成するとともに、出生や現状にかかわらず、人々が文化・教養を継承していく機会の創出を目指します。

ミッション01:知の伝達、知の継承

青少年たちよりも少しばかり先を生きた者として、多くの受験生を見てきた者として、そして何より私たち自身が先人たちに導いてもらってきた者として、手にしてきた良き物を私たちが次世代へと継承する役割を担うと同時に、知の継承者として自分たちも常に新たな知を継承していく姿勢を持ち続けていきます。

私たちの問題意識:伝統文化・工芸の衰退

日本には有形・無形の伝統文化が数多く存在しています。それらは長い歴史を通して地域・社会の中で受け継がれ、現代まで伝わってきたものです。世代を超え、日本や地域を特徴付けるものとして欠かせないものとなっており、国内の愛好家のみならず、海外でも高い評価を受けている工芸品・芸能も少なくありません。

しかしその一方で、国内における伝統文化の衰退が問題となっているのも紛れもない事実です。私たちは、こうした伝統文化の衰退を食い止め、保存・継承していくことが急務だと考えています。

消滅した伝統文化の復興は困難

伝統文化・工芸には専門的な知識やノウハウ、高い技術が要求されることが多いものです。さらにはそれらの知識やノウハウ、技術は、口伝の形で受け継がれてきたものや、職人たちが経験を通して身につけてきたものが多くあり、一度失われた伝統文化・工芸を復興するのは至難の業だと言われています。

したがって、私たちはこれらの伝統文化・工芸が失われてしまう前に受け継いでいく必要があります。

伝統文化・工芸衰退の背景

伝統文化の需要が減少している

伝統文化衰退の背景の一つに挙げられるのが「需要の減少」です。ライフスタイルが多様化した現代において、生産コストの高い伝統工芸品の需要が減少しています。

伝統文化・工芸の魅力を発信し、需要を創出していくことは急務です。

従事者の高齢化と後継者・担い手の不足

伝統文化・工芸に従事する人々の高齢化と、後継者・担い手不足も喫緊の課題です。中でも、伝統工芸士(職人)は高齢の場合が多いこともあり、次世代の担い手を発掘し育成していくことが重要です。

長い経験を積むことが欠かせない「職人技」の継承は急務だと言えます。

伝統文化・工芸の魅力に触れる機会を創出する
どんなに優れた文化でも、認知度が低ければその魅力が知られることは残念ながらほとんどありません。私たちは、これまで伝統文化・工芸に触れたことがないという人々や次世代を担う青少年たちが伝統文化・工芸の魅力に触れる機会を創出し、伝統文化・工芸を保存し継承していく方法を模索していきます。

 

消えゆく方言

地域で受け継がれてきた「方言」も大切な伝統文化の一つです。ところが、近年ではこうした方言も失われつつあるという、「絶滅危惧種の言語(方言)」という問題が注目されています。

国連教育科学文化機関(UNESCO)が発表した”Atlas of the World’s Languages in Danger”(第3版)によれば、日本語の中でも次の8言語が消滅の危機がある言語として掲載されています。

  • 【極めて深刻】アイヌ語
  • 【重大な危機】八重山語、与那国語
  • 【危険】八丈語、奄美語、国頭語、沖縄語、宮古語

 他にも、日本では「東日本大震災からの復興の基本方針」で指摘された東日本大震災の被災地の方言も消滅の危機がある言語として認定されています。これらの方言話者は高齢者であるケースが多く、次世代の担い手の創出が急務となっています。
参考:文化庁「消滅の危機にある言語・方言」(https://www.bunka.go.jp/seisaku/kokugo_nihongo/kokugo_shisaku/kikigengo/index.html)

 

ミッション02:青少年たちの澪標に。

澪標は古来、水深の浅い港や川岸などで船の航路を示す目印として用いられ、和歌の中ではよく身の破滅を意味する「身を尽くし」との掛詞として用いられ、身を破滅させるほどの激しい恋を表してきました。
私たちは、「澪標」のような道標となることを目指しつつ、掛詞としての「身を尽くし」に表れた決意と重なりながらも新しい、さらなる意味を込めることができる存在を目指して邁進していきます。