国連教育科学文化機関(UNESCO)が発表した”Atlas of the World’s Languages in Danger”(第3版)によれば、日本語の中でもアイヌ語、八重山語、与那国語、八丈語、奄美語、国頭語、沖縄語、宮古語の8言語が消滅の危機がある言語とされています。

他にも、日本では「東日本大震災からの復興の基本方針」で指摘された東日本大震災の被災地の方言も消滅の危機がある言語として認定されており、これらの方言話者は高齢者であるケースが多く、次世代の担い手の創出が急務です。

参考:文化庁「消滅の危機にある言語・方言」(https://www.bunka.go.jp/seisaku/kokugo_nihongo/kokugo_shisaku/kikigengo/index.html)

私たちは、これら消滅しつつある言語の問題に対し、まずは沖縄語を中心に「しまくとぅば」の保存と継承に焦点を当て、人々の関心と理解を深めつつ、方言や伝統文化の喪失を食い止める一歩として、2025年6月から、沖縄県那覇市を拠点に毎月1度の沖縄語講座(「しまくとぅば講座」)を開催します。

毎月1回開催するしまくとぅば講座を通して楽しみながらしまくとぅばの基本を学ぶ機会を創出。さらに、沖縄を愛する人々が集うオンラインコミュニティで学んだしまくとぅばを実践するとともに、沖縄に関係する様々な情報交換を通して沖縄への理解を深め、世界中のうちなーんちゅや沖縄への想いを抱いている方々との緩やかな繋がりを創出する場を提供します。

なお、毎回の講座は那覇市内の会場で開催しますが、オンライン同時配信も行うため、全国どこに住んでいても受講可能です。また、当日の様子は全て収録し、後日見逃し配信形式での受講も可能になっています。そのため、全10回の講座全てには参加できないという方でもその内容を視聴した上で次回講座から参加することができます。

しまくとぅば塾 ちむぐくる

「しまくとぅばを学んでみたい」「しまくとぅばに触れてみたい」と思う方を対象に、2025年6月から毎月1回、那覇市内の会場でしまくとぅば講座を開催。しまくとぅば講座は、オンライン受講も可能になっているので、全国どこにお住まいの方でも受講することができます。
※アーカイブ視聴も可能。当日ご参加いただけない方でも後日アーカイブ動画をご視聴いただけます。

「ちむぐくる」に込めた想い

しまくとぅば塾 ちむぐくる ロゴ

しまくとぅば塾 ちむぐくるのロゴは、平和や調和を意味する緑色をベースに、鉛筆の形をイメージしつつ自然界の秩序や安定、調和を表す六角形の中に、沖縄で古くから魔除けとして生活に根付いた模様「ヤシラミ」を取り入れました。
私たちはしまくとぅば塾 ちむぐくるの活動を通して沖縄の伝統を大切にしつつ、世代間・地域間の分断ではなく協調・自立共生(コンヴィヴィアリティ)を目指していきます。

「うちなーぐち」と「しまくとぅば」

沖縄のことばを表す語として主に沖縄語を指す「うちなーぐち」がありますが、沖縄のことばには地域によって大きな違いが存在しており、言語学的にはそれぞれ別の言語として識別すべきであるとも言われます。

ちむぐくるではそれら沖縄のことばを故郷しまのことば、「しまくとぅば」という語を用いて、島ごと・地域ごとのことばとして認識し、それぞれの言語に焦点を当てて理解・継承していくことを目指します。

 

オンラインコミュニティ「しまくとぅば塾 ちむぐくる 別邸」

沖縄を愛する人々が集うオンラインコミュニティ。しまくとぅばを実践したり、それぞれのルームで沖縄に関する情報を交換しながら、観光情報には収まりきらない「生の沖縄情報」のやりとりを行う緩やかなつながりを創出します。

コンテンツ例

  • 交流掲示板コンテンツ
    自己紹介・挨拶/今日の沖縄/おすすめスポット・お店情報/イベント告知・レポート/質問・相談/写真・動画シェア
  • テーマ別チャンネル
    グルメゆんたく/歴史・文化ゆんたく/自然・風景ゆんたく/しまくとぅばゆんたく/音楽・芸能ゆんたく/移住・生活ゆんたく/その他、興味に応じて随時追加
  • オンラインイベント

人材募集

「しまくとぅば塾 ちむぐくる」では現在、私たちとともに活動してくださる方を募集しています。
募集ポスト・条件は以下をご覧ください。

しまくとぅば塾 ちむぐくるに係る調査・資料作成・運営サポート

R01-002 運営補助

しまくとぅば塾 ちむぐくる開催日当日の運営・配信サポート

R01-003 Web担当

しまくとぅば塾 ちむぐくるWebページの運営・保守、広告運用

私たちが沖縄で活動する理由

私たち一般社団法人文華樹の主な活動拠点は東京ですが、沖縄でしまくとぅば塾を開校することを決意した背景には、とあるYouTuberさんとの出会いがありました。

2023年、夏。代表の羽場が沖縄を訪れた際、YouTubeチャンネル「沖縄サムライ」のMGさんからこんなお話を聞かせていただきました。

子どもたちが方言を徐々に徐々に知らなくなってきている。今こそ方言塾ってあってもいいと思うし、今しかない。一大事だよ。自分たちは方言を聞けるけど、上手くは喋れないわけよ。方言の中に沖縄の良さが詰まっているし、方言でしか伝わらない感覚があるわけよ。その中にちょっとした優しさがあったり、信仰があったり。それを使うことによって届けられる良さがあるわけよ。方言がなくならないようにしなきゃいけないなと。
方言塾やりたいね。俺たちが勉強になるぐらいな。沖縄の人が勉強したくなるような「しまくとぅば」。今しかないよ。喋れる人がいなくなっちゃったら聞き取りもできなくなってしまう。失われてしまったら終了。残さなきゃいけない。

この時から私たちの方言塾、「しまくとぅば塾」計画がスタートしました。

もちろん、日本全国で同様の事態が起こっています。私たちの活動拠点である東京都や創立の地である千葉県でも失われゆく言語・文化が存在しているはずです。それらの保全活動を行なっていくことの重要性は認識しています。

とはいえ、まずは私たちと協働してくださる方々のお力をお借りしながら活動できる場所から、何より、方言塾プロジェクトを始動させようとする私たちの背中を強く押してくださった方々の住む沖縄から、その第一歩を踏み出していきたいと考えています。

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