
国連教育科学文化機関(UNESCO)が発表した”Atlas of the World’s Languages in Danger”(第3版)によれば、日本語の中でもアイヌ語、八重山語、与那国語、八丈語、奄美語、国頭語、沖縄語、宮古語の8言語が消滅の危機がある言語とされています。
他にも、日本では「東日本大震災からの復興の基本方針」で指摘された東日本大震災の被災地の方言も消滅の危機がある言語として認定されており、これらの方言話者は高齢者であるケースが多く、次世代の担い手の創出が急務です。
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私たちの問題意識
なぜ「地域言語」の保存が必要なのか
論点1:文化・アイデンティティ
言語は、文化と心を映す鏡である。
- 文化の継承
言葉が消えると、歌、物語、ことわざ、そして何世代にもわたって培われた知恵も失われます。 - アイデンティティの再認識
私たちが扱う「しまくとぅば」には、沖縄の自然観や助け合いの精神が宿っています。言葉を学ぶことは、自分たちのルーツを再確認することに繋がります。
論点2:多様性と知の宝庫
一つの言葉が失われることは、一つの世界が失われることを意味する。
- 文化の継承
言葉が消えると、歌、物語、ことわざ、そして何世代にもわたって培われた知恵も失われます。 - アイデンティティの再認識
私たちが扱う「しまくとぅば」には、沖縄の自然観や助け合いの精神が宿っています。言葉を学ぶことは、自分たちのルーツを再確認することに繋がります。
論点3:歴史の証拠
言葉は、過去を伝えるタイムカプセルである。
- 生きた歴史
地域言語には、その地域の交易や文化交流、歴史的出来事の痕跡が言葉として残っています。 - 未来への教訓
言葉を守ることは、過去を正しく理解し、未来への教訓として活かすための重要な手掛かりとなります。
論点4:地域社会の活性化
言葉の復興は、地域の未来を創る力となる。
- 世代間交流
講座やイベントを通じて、高齢者から若者までが交流する場が生まれます。 - コミュニティの強化
コミュニティの強化共通の言葉を学ぶことは、人々の連帯感を高め、地域の一体感を育みます。 - 新たな魅力の創出
言葉は観光資源にもなり、深い文化体験は地域への関心を高めます。
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しまくとぅば講座×オンラインコミュニティ
私たちのアプローチ
20世紀後半にウェールズ語衰退への危機感から言語復興運動が本格化し、現代では官民双方による取り組みの成果として、徐々にウェールズ語を学ぶ子どもが増えています。また、2017年に政府が策定した「Cymraeg 2050」戦略では、2050年までに人口の20%が日常的にウェールズ語を話す社会をめざし、話者の人数・ウェールズ語の使用を増やすこと、そのための環境の整備が指針として示されています。
このように、依然として大きな課題は残っているものの、ある程度の復興を遂げたウェールズ語の事例からもわかる通り、消滅危機言語が復興を果たすためには、政府・行政レベルの取り組みと企業・民間団体レベルの取り組みの双方が不可欠です。


「ちむぐくる」に込めた想い
「ちむ」「くくる」ともに「⼼」の意味。「ちむぐくる」は「⼼、精神」を強めた表現で、主に「真⼼」を表します。
私たちは、「しまくとぅば塾 ちむぐくる」という名に、しまくとぅばを⼼を込めて伝えていくのみならず、しまくとぅばの中に秘められた「⼼」を受け継いでいくという決意を込めました。しまくとぅばでしか伝わらない感覚、標準語にすることで失われる感覚。しまくとぅばの中に表れる優しさや信仰、しまくとぅばを使うことによって届けられる魅力を伝承していきます。
[ロゴ]平和・協調×伝統
しまくとぅば塾 ちむぐくるのロゴは、平和や調和を意味する緑色をベースに、鉛筆の形をイメージしつつ自然界の秩序や安定、調和を表す六角形の中に、沖縄で古くから魔除けとして生活に根付いた模様「ヤシラミ」を取り入れました。私たちは沖縄の伝統を大切にしつつ、世代間・地域間の分断ではなく協調・共生を目指していきます。
「しまくとぅば」とは何か
「しまくとぅば」は沖縄県の各地域で話されている言葉の総称です。
沖縄のことばを表す表現として「ウチナーグチ」という語が用いられることがありますが、狭義のウチナーグチは沖縄本島中南部で話されている沖縄語のことを指します。ところが、沖縄のことばには地域によって言葉の響きや表現が大きく異なり、言語学的にはそれぞれ別の言語であるとも言われます。そこで、奄美語、国頭語、沖縄語、宮古語、八重山語、与那国語など、沖縄の各地域で話されていることばを故郷のことば、「しまくとぅば」という語を用いて表現されます。
※「しま」=島、村、村落、故郷など。
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